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anamimamiko

公と私

更新日:2023年10月28日

庭について考えるときに重要な観点の一つである、『公(public)』と『私(private)』について。


個々人の家の庭は、まさしく土地的にも感覚的にも公私の境目で、どちらの要素も存在する。そして、それぞれの庭に対して、公・私のバランスは異なり、グラデーションがある気がする。


例えば、家の正面に当たるアプローチ、ファサードなどは、第三者が通る公道に面していたりして必然的に『公』の度合いが強くなる。とはいえ、家主の好みや建物との兼ね合いがあるので、当然『私』も存在する。


一方、裏庭やリビングからの主庭は、第三者から見えない場合が多く、必然的に『私』の度合いが強くなる。とはいえ、隣家や背景とのつながりなど、外に広がっていく方向性もあり、『公』も少なからずある。


このように、アプローチや裏庭などなど、家の庭に限れば、『公』と『私』の要素は、その塩梅は変われど、どちらも存在するように思う。


『私』を重要視する場合、家主の好みや価値観に沿うことが鍵になる。雑木やナチュラルなど、好きな庭のテイストや、植物のメンテナンスにどれだけ労力をかけたいか…などなど。

巷で言われる『好きなものに囲まれる暮らし』のイメージだと思う。

好きなものが詰め込まれ、その人柄や楽しい気持ちが滲みでた庭は、見ているだけでこちらも明るい気分になる。


『公』を重要視する場合、街の雰囲気、近隣の山に自生する木、近所でよく植えられている植物、土地が広い場合には代々その土地を見守っていくような高木など、その地域に住む人の漠然とした視点が必要となる。ランドスケープデザイン的な発想。このように言うと個性がないように感じるかもしれないが、個人の好みを超えたものが鎮座することで、その家だけでなく周辺一帯が風景として落ち着くようになる。


ガーデナーが無意識であれ意識的であれ、庭にはこの両要素があり、もちろんどちらも大事だと思う。『私』だけを考えすぎて、なんだか街から浮いていたり、『公』だけ考えすぎると家主が庭を楽しめず植物がただ厄介な負担になってしまったり。



ところで、最近どこの地域に行っても同じようななんとなく無味乾燥な風景が多い。

これは施工や維持管理の、効率の良さや合理性、利便性のみを考えて、突き進んできた結果だと思う。


ある程度の利便性はもちろん必要といえど、だんだん息苦しくなっていくような街を見ていると疑問を感じてしまう。『公』の、街の視点で庭作りをすれば、街の景観ひいてはブランド力の向上にもつながるだろう。『私』の、家主の立場で庭作りをすれば、家という空間を、家主にとってより癒され、末永く付き合って、住み次いでいくようにできるかもしれない。


お客様や自分お庭は、『公』に開かれているか、『私』を反映できているか、、、考えてもわかるわけではなく、難しいけど、醍醐味のような部分だと思う。-


(2023.720)


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The concept of the public and private is one of the most important viewpoint fo figure out the garden.

Thinking about the gardens of personal home, a garden is the very boundary between public and private, geographycally and mentally. So that each garden has the both concepts, neverthless the balance between them is different.


For exampe, the gardens such as approach and facade are very public. However, it is influenced by owner's preference and and the flavor of the building. So these gardens can be private.


On the other hand, thinking about back gardens, they cannot be seen by others. So such gardens are very private. But it is influenced also by the scenary of the outside such as next door and background.


Like this, each home garden has both sides, 'public' and 'private', although the balance differs.


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